実はあぐらが正式!? 正座の歴史を見てみましょう!

実はあぐらが正式!? 正座の歴史を見てみましょう!

実はあぐらが正式!? 正座の歴史を見てみましょう!

現在の家庭では、基本的にテーブルと椅子で生活する機会が多いものですわ。そのため、和室がある家も昔に比べて少なくなっていますのよ。ですから、現在では「正座」ができないという人も多いでしょう。しかし、実は和室などで座る際、正座は正式な座り方ではありませんの。では、何が正解なのか。そして、いつから正座が正式なものになったのかを見てみましょう。その歴史を知ることで、周りに自慢できるかもしれませんわね。

元々はあぐらが正式だった?

今では畳で座るとき、基本的に正座をするのが常識として認識されていますが、実は「あぐらで座る」ことがほとんどだったのですわ。戦国時代や、それ以前の肖像画を見てみると、基本的に正座をしている人はあまりいませんのよ。座る際は、足の裏をあわせるような、あぐらでの座り方が正式になりますわ。でも、現在のあぐらのように足を組む形ではありませんので、そこは間違えないように……。もしくは、「立て膝」で座るのもOKとされていますわ。今のように、畳があるのは「上流階級」の人たちが住んでいるところであり、一般の人たちは「板の間」に座っていましたの。流石に、板の間に正座で座るのは、足が痛くなってしまいますわね。私でも、流石に10分くらいが限界ですわ……。だからこそ、昔はあぐらか立て膝で座るのが、実は正式な座り方になりますのよ。

なぜ正座が正式な座り方ではないのか

今でこそ正座は、きちんとした場所で座る際の常識になっていますけれど、実は元々正座は「罪人」の座り方といわれていましたわ。そのため、普段から正座をする人はいませんでした。そして、日常的に、あぐらや立て膝をして座っていたのですわ。また、現代では座布団を使うことが多いですが、江戸時代などでは基本使わなかったとか。しかし、徳川家光の頃から、正座をするのが正式なものと言われるようになりますの。それは、「茶の湯」の作法からきているともいわれていますわね。また、家光が部下たちに「絶対服従」の意思表示をさせるためとか……。膝を折ることが、武士たちにとって、とても屈辱的だと感じているからこその指示だったのでしょう。それだけ、正座は嫌がられていたのですわ。
そこから、次第に武士たちの中でも正座が広まりますのよ。それは、「礼儀作法の徹底」から。武士は身分が高いからこそ、しっかりと礼儀を知らなければいけませんわ。そのため、食事の際や公式な場では正座をするようにと、意識が変化していきますの。そして、今までは武家だけで行っていた礼法が、次第に庶民の間で広まっていくのですわ。また、明治に時代が移ったとき、正式な礼儀作法として定められたのです。だからこそ、現在のように正座をする意識が浸透していきましたのよ。

正座をフォーマルにする重要性は……?

実際、座り方というものは自分が現在着ている服装に対して、できるものとできないものがあるもの。正座もその1つ。例えば、スカートのように、下着が見えてしまうと困ってしまう場合は正座をするのも1つの手ではありますわ。しかし、「ストール」を持っているのであれば別に「横座り」もできますし、軽く膝周りを隠せばあぐらで座っても大丈夫。だって、下着を見られる心配はありませんもの。また、ジーンズをはいている場合も、正座で長く座れない場合は、あぐらに変えるのもアリですわ。もちろん、きちんと座る場面では正座をすることは大切ですけれど、無理に型にはめる必要はないと私は考えていますのよ。

終わりに

正座といっても座り方の1つにしかすぎませんわ。だからこそ、この礼儀に縛られてしまうのは、あまり良くないのではと私は思いますの。デメリットとして、膝や足首にも負担がかかってしまいますし、長時間座っていることに慣れないもの。ましてや、現代では椅子での生活に慣れてしまっている人が多いからこそ、この正座を「唯一の伝統的な座り方」としてずっと続けても良いのかと不安になりますわ。もちろん、ルールを決めることは大切であると、重々承知しています。しかし、時代に合わせる形で、少しずつ変化させることも大切ではと思っていますのよ。
もちろん、正座のメリットは、座っている姿がとても「キレイ」に見えるというもの。背骨がキレイな「S字」を描いているからこそ、見ていてとても安心感を覚えるのでしょう。しかし、こだわりすぎてしまうと、体がガチガチに固まってしまいますし、どうも「居心地が悪い」と感じる人も出てきますわ。だからこそ、自分に合った座り方を考えてみるのも、とても大切。長時間座っていて楽な姿勢をとれば、気持ちも楽になりますし、ありのままの自分を周りに見せられるようになりますわ。